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ナンセンス文学置き場

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Categories : Notes

ナンセンス文学とは、意味のあるものと意味のないものを組み合わせ、言葉の常識や論理性をあえて無視して破壊する文学の総称です。これは単なる無意味な文章ではなく、知的な厳密さや方法を持ち、言葉遊びや不条理な要素を使って、意味を成さないこと自体でユーモアや面白みを生み出す文学ジャンルです。

蒸気パンと逆さま図書館の小噺

ある晴れた曇り日、私の靴下は自ら辞表を提出し、机の上で小会議を開いた。議題は「蒸気パンの正しい食べ方について」であったが、肝心の蒸気パンが煙突に登っていってしまったため、審議は即座に宙吊りになった。

議長を務めたのは逆立ちしたフクロウで、彼は眼鏡を尻尾にかけながらこう宣言した。

「知識とは、食べられないサンドイッチのようなものだ。齧れば齧るほど空腹になる!」

その言葉に感銘を受けた辞書たちは、自分のページを食い破って辞典鍋に飛び込み、ぐつぐつとスープを煮込んだ。味見をしたカレンダーは「2 月 30 日は甘酸っぱい」と評し、そのまま床下へと消えていった。

一方、図書館の地下では椅子が反乱を企てていた。椅子たちは「われわれこそが本を支えているのだ」と叫び、棚に向かって座り込みを始めた。結果として、本は棚から飛び降りて読者の頭に直撃し、読者は新しい知識を獲得するどころか「なぜ月は四角でないのか」という無用の問いを抱えることとなった。

最終的に、蒸気パンは雲の上から戻ってきたが、すでに冷め切っており、ただサクサクと鳴る影として存在していた。誰もそれを口にできなかったが、誰も困らなかった。なぜなら、困ることこそが最大の贅沢だからである。